拡大する光メディアコンバータ、イーサネットスイッチ市場【FXC】
期間限定無料公開 有料FXCは、総合ネットワーク機器メーカーとして、WDMや光メディアコンバータ、オプティカルトランスポート製品、管理機能付きL2スイッチ等の先端技術を搭載した製品をラインナップしており、官公庁、企業、キャリア、プロバイダと幅広いユーザから評価されている。
FXCの亀野氏は2016年の状況について、「光伝送製品の売上は前年比で微増だった。その中で10Gメディアコンバータの売れ行きが伸びている。また、光伝送製品と一緒にソリューション提案することもある無線アクセスポイントの売上が伸びている。今後は無線製品への注力はもちろん、光伝送製品も伝送帯域が広がっていく映像系を中心にご提案していく」と話す。
109Gbps の8K 非圧縮映像と音響環境の分割遠隔配信
FXCは今年2月、NICT主催の実証実験において、“さっぽろ雪まつり”会場を基点に、従来の4倍超の100Gbps超の8K非圧縮の超高画質映像と、8K相当品質の立体音響環境の遠隔中継に参加している。超小型ADMボックス「LE100AD」を札幌の研究開発用ネットワークテストベッド「JGN」の札幌コネクティングポイント(HOTnet)とSINET5のデータセンタに各1台設置し、その拠点間を1芯の光ファイバで中継する役割を担った。100G+40G+40Gを1芯双方向で通信したという。
LE100AD は1Uの筐体に100Gのアップリンクを2ポート備えた製品。マルチレート、マルチプロトコルの10G/40G及び100Gサービスを2つの100G OTU4アップリンクに集約することが可能だ。FXCの山口氏は「1Uという省スペース、そして100G、40Gと異なるインターフェースを1台で集約できることから、今回の実証実験でお使い頂いた」と話す。
実験では、札幌で複数台の8Kカメラを使い撮影された広視野角の8K映像(109Gbps)をリアルタイムに分割し、複数の回線に分けて伝送。その映像は大阪で同期して映像ストリームとして再構築された。また、同時に収録されたハイレゾ音声は、映像と同期して合せて復元された。
山口氏は「映像分野に対しては、実証実験でお使い頂いたLE100ADや、売上が伸びている10G光メディアコンバータをメインにご提案していく」と話す。
10G光メディアコンバータ
同社は10G対応のメディアコンバータを2機種ラインナップしており、通信事業者やCATV事業者、学術系ネットワークと幅広い市場で採用されている。
「LEX1881-1F」は、世界最小サイズの10G電気/光メディアコンバータ。小型サイズ、低消費電力、そして国産品質という付加価値により、ユーザから高い評価を得ている。筐体の外形寸法は50mm(W) × 74mm(D) ×20mm(H) と、一般的な名刺より小さなサイズを実現している。体積は74㎤。2つの放熱対策によるFANレス構造を実現。低故障間隔、高耐久性を実現している。できるだけ光ファイバを使用したくないサーバルームや、光ポートしかない10Gテスタに10GBASE-Tポートを簡単に追加できる。
もう一方のモデル「LEX1881-2F」は10GBASE-SRと10GBASE-LRを変換するメディアコンバータ。筐体が小さく、LFP機能をサポートしている点、また価格競争力も高い評価を得ている。CWDM用SFP+により、10G、4回線を1本のファイバで伝送することもできる。
壁埋め込み型のワイヤレス製品に注力
情報コンセント型の無線アクセスポイントは、美観を損ねない点や、盗難されにくい点で注目されており、住宅、オフィス、会議室、病室、公共施設等の情報コンセントとして普及が広まっている。FXCの武田氏は「弊社の製品も非常に売上が伸びている。無線規格の伝送速度は上がっていくので、我々もそれに追従してお客様のニーズにお応えできる製品を開発していく。
コンセント型の形状なので、住宅設備のメーカーをはじめ競合の多い市場だが、弊社にはインターネット機器メーカーとしての強みがあり、他のスイッチ製品やソフトウェアなどと組み合わせて総合的なソリューションをご提案できる」と説明している。
同社は新製品として今年2月、埋め込み式無線アクセスポイントAccessEdgeシリーズに「AE1031」「AE1031PE」を加えている。IEEE802.11b/g/nに準拠しており、本体前面部には有線LANのRJ-45インターフェースも搭載している。JIS 規格のコンセントプレートに対応しており、違和感なく設置できる製品だ。